明けましておめでとうございます。
旧年中は格別のお引き立てを賜り、社員一同、厚く御礼申し上げます。
ところが一転して、“パンデミック”というSFの世界と思っていた言葉の意味を、誰もが“実際に経験して知る”という、歴史に残る大変な年になってしまいました。昨年2月頃、武漢のニュースを見て対岸の火事と高をくくっていた日本社会は、その僅か数週間後に戸惑い、不安になり、そして恐怖へと変わって大混乱に陥りました。緊急事態宣言とその後の”withコロナ”という新常態への適合を進めていく中で、多くの業界が少なからずダメージを受けました。同調圧力なる言葉が一般的になる程、危機感や適合意識の違い、誤った情報や利害の不一致等による社会の分断化が進みました。ウィルスにとって比較的得意でないとされる気温と湿度が上がった夏~秋には感染者数が減少しましたが、寒く乾いた冬が近づくにつれ、再び爆発的な増加傾向へと転じました。そして、年明け早々、緊急事態宣言が再発動されることとなり、国民は医療崩壊と経済危機を回避すべく感染拡大防止に協力しながら経済も回し、何とか東京オリンピックの開催へ持ち込むという綱渡りのような取り組みが始まろうとしています。
しかしながら、この冬季さえ乗り切れば、春になって再び感染者数が減っていく可能性、ワクチンの普及と集団免疫獲得、ウィルスの弱毒化の可能性に加え、社会全体にプラスに働く“新常態への慣れ”も期待されます。すなわちこの環境下で感染拡大防止と経済活動を両輪で動かすノウハウが政府や企業、あるいは国民の間で次第に蓄積されて来ているものと考えます。従って、私は世の中の停滞と混乱は、これからの1~2ヶ月をピークに緩やかに収束に向かい、新しい成長の時代がやってくると信じます。日本とは桁違いの感染者を出している欧米の先進諸国ですら株価は上がっており、人々のアフターコロナへの期待と意欲が感じられます。
昨年、コロナ禍ではありましたが、運よく私たちの業界は他の業界に比べ、結果的に比較的軽傷であったと言えます。本年、弊社として従来通り、感染拡大防止に協力しつつ、コロナをいい訳に引き過ぎず、また押しすぎないよう情勢を注視しながら、お客さまと共にこの業界を守り、この環境下であっても発展させていく為に、微力ながら精一杯、努力していきたいと考えております。新常態への適合を模索しつつDX(デジタル・トランスフォーメーション)改革を進め、今後はSDGs(持続可能な開発目標)も意識した経営、組織づくりに邁進いたします。現在の環境下でお客さまや患者さまにとっての更なるメリットを創造するマーケティング/営業戦略とより魅力的な製品開発能力を向上させていきます。また、学会への協賛やセミナー、患者啓発活動等、社員一丸となって知恵を出し、業界が新常態を確立していく一助となるよう努力いたします。そして本年もお客さまや患者さま、業界、社会に一層貢献した結果として弊社自身も成長していくという、弊社のフィロソフィーを愚直に守り、粛々と進めていく所存です。
最後に新年にあたり皆様のご健康と益々のご繁栄を祈念申し上げます。
株式会社ジェイメック
代表取締役社長 西村浩之